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冬音 「NARUTO」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。

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跪いて、足をお舐め。




「跪いて、足をお舐め」

突然、脈絡もなしにイルカの唇から発せられた、場違いな、イルカには似つかわしくない言葉に寝転がっていたカカシは愛読書から顔を上げて、イルカを見やった。イルカは持ち帰りの仕事を黙々とこなしているところで、書類に落としていた視線をカカシへと向けた。

「舐めて欲しいんですか?」

イルカの足ならば、カカシは変態と誹られようが喜んで舐めたいと思う。その際は上忍とか男のプライドはなかったことにする。…寧ろ、頭を下げてでも変態に成り下がりたい。
「違いますよ。同僚のくの一が世間話ですけど、喋ってたんですよ。そう言いたいか、言われたいかで、自分がSか、Mか解るって」
「…へェ」
カカシは本を閉じ、胡座をかいて座るとイルカを見やった。
「イルカ先生はどっちなの?」
「え、俺ですか?…恋人にそんなこと、言いたくないし、言われたくもないなぁ」
このひとの精神は真っ当に健全だ。…ああ、なんて眩しいのだろう。
「でも、カカシ先生は、どちらかと言うと言う方ですよね?」
爽やかな笑顔でさらりとイルカはひどいことを言う。…このひとは何と言うか、色んな意味で肝が据わっている。…怖いもの知らずって、怖いヨネーとカカシは思う。
「俺はアナタ以外に言われるのは嫌だし、言うのも嫌ですヨ。アナタに俺の汚れた足なんか舐めて欲しくないし」
足なんかより、別の処を舐めて、可愛がって欲しい。…そう思いつつ言えば、イルカの視線が下がり、カカシの足へと注がれる。それが何だか、居心地悪くて、胡座をかいた足を正座に折り畳めば、イルカは不満気な顔した。
「カカシ先生の足、好きですよ。脛毛ないし、つるつるだし」
「つるつるなんて、女みたいで嫌なんですよ。気にしてるんだから、言わないで」
体質もあってか、体毛は薄く、疎らに生えていた脛毛は今は擦り切れて、殆ど、無毛だ。暗部時代に念の為にと体臭を気にして、産毛のような脇毛も剃っていたら、いつの間にか生えてこなくなった。おまけに髭も薄い。大事な処以外に女性の言う無駄毛など生えていない。アスマのように毛塗れになりたい訳ではないけれど、あるものがないのはやっぱり気になる。
「…気にしてたんですか?」
「だって、男らしくないじゃない」
詰まるところ、そういう訳で、目の前の好きなひとに、「格好良い」「男らしい」と思われたいのは、男なら誰でも思うことじゃないだろうか。…こんなことを考えるから、自分は女々しいのかもしれないなぁとカカシは思って、イルカを見やった。イルカは笑うと卓袱台の上に広げた書類を片付け始める。仕事もこの話もお終いらしい。最初の話から随分と違う方向へ、ズレてしまった。
「…カカシさん」
「何ですか、イルカ先生?」
卓袱台を退けて、押し入れから布団を取り出したイルカの邪魔にならないように、部屋の片隅へと移動したカカシは敷かれた布団をぼんやりと眺めた。

「…足が嫌なら、別の処、舐めて、噛んで可愛がってあげますから」

にっこり、カカシの好きな顔で笑ったイルカがぽんぽんと布団の上を叩く。それにふらふらと手招きされるがまま、カカシは布団の上。
(…俺、多分、Mかもネ…)
自分がMなら、イルカはSだ。善人の顔をしてイルカはカカシを従わせている。それを気づかせないし、嫌だとも思わせない。従うのが気持ちよくなってくるから困る。…イルカはやんわりとひどい男だ。…そんな、男に惚れてしまったのだから、しょうがない。

 もう、ドMでイイや。

カカシは部屋を満たす白い光を消すべく、ぶら下がった紐を引っ張った。


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